メタボリックシンドロームと高血圧と内臓脂肪の関係は?

メタボリックシンドロームという言葉はよく耳にすると思いますが、どういう状態なのか、「ピン」とこない方は多いと思います。

 

メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧、脂質異常のうちいずれか2つ以上をあわせもった状態を、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。

 

高血圧を含む複数の危険因子が重なることで動脈硬化が進行することが指摘されています。つまり、血圧が高い状態から動脈硬化が進むメカニズムには、高血圧を主要因として起こる血管の硬化、複数の生活習慣病が重なり、それらの影響関係によって起こる血管の硬化(メタボリックシンドローム)の2つのルートがあります。

 

このため命に関わる病気につながる動脈硬化を防ぐには、ほかの生活習慣病にも注意が必要となります。メタボリックシンドロームには4つの危険因子があり、そのうち内臓の周囲に脂肪がたまる内臓脂肪型肥満が診断のベースになります。

 

ほかの3つの因子は、高血圧、脂質異常、高血糖で、これらの生活習慣病が重なると単独の症状としては比較的軽い境界型(検査値の基準値と病気と診断される数値との境界域)でも動脈硬化の危険性が増すと考えられています。

 

かつては単独の病気の症状が軽度であれば注意を促すだけの臨床対応が一般的でした。しかし、メタボリックシンドロームの診断基準からは比較的軽度の危険因子を複数かかえている人も療養を行い、それぞれの病気自体の改善を行いながら、動脈硬化の進行を予防していくことが大切となります。

 

メタボリック・シンドロームの治療の基本は、内臓脂肪型肥満の改善です。内臓脂肪型肥満では、肥満細胞から糖代謝に関わるホルモンであるインスリンの働きを妨げる物質が分泌され、インスリン抵抗性を生じ、高血糖となります。また、血液中の中性脂肪が増えるため、高脂血症が引き起こされます。

 

さらに、インスリン抵抗性の状態が続くと、血糖値を下げようとしてインスリンの分泌が過剰になるため、血液中のインスリン濃度が高くなると高インスリン血症が起こります。

 

高インスリン血症になると、腎臓でのナトリウムの再呼吸が促進されるため、循環血液量が増加して血圧が上がり、これが長く続くと高血圧になります。

 

このように、内臓脂肪型肥満は、インスリン抵抗性と高インスリン血症を介して、高血糖、脂質異常、高血圧を引き起こします。この連鎖の悪循環を防ぐには、その起点となる内臓脂肪型肥満を、食生活の改善や適度な運動によって改善していくことが重要です。